『NEW日本の伝記 紫式部』


古典の名作『源氏物語』の作者・紫式部の生涯を通して、貴族文化が花開いた平安時代を知ることができるまんが。

才能豊かな1人の女性が、宮廷社会をしなやかに生き抜く姿を描く。


いま「話題」の紫式部について学べる本。

『源氏物語の作者』という知識しか持ち合わせていなかったけれど、その生い立ちや、「なぜ源氏物語を綴るようになったのか」を知ることが出来て、とても興味深かったです!


欄外の『豆知識』もとてもおもしろい。

その時代のちょっとしたこぼれ話や、政治的な話、雑学など、読めばよりその時代、その主人公への理解が深まるなあと思いました。


何より『全ページカラー』というのは私にはカルチャーショックでした!

私が小学生のころは、最初の数ページのみがカラーで、あとは白黒(良くて朱色・オレンジ色)が使われていたくらい。

最初のころは、その贅沢さに身体が馴染めませんでした(笑)

カラー映画より、白黒映画が好き、という方の気持ちがちょっぴり分かったような気がします。


『源氏物語』のストーリーも分かるようになっているのがうれしい。

そのための知識は事前に「式部の周りの環境の説明」によって学べるようになっていて、『源氏物語』の設定がスっと理解できる。

素晴らしい構成だなぁと思いました!


その生涯は波瀾万丈で、愛する人たちを次々に失ったり、「賢いから」と女房に呼ばれた宮中なのに、その明晰さ故に最後は追い出されたり・・・。

その人の背景を知ることで、より作品も面白くなる。

『紫式部日記』にも興味が湧き始めました。


Twitterでいつもお世話になっている「こざきゆう」さんがまんが脚本を手掛けられている、このシリーズ。

他の作品もぜひ拝読したいと思います!


紋佳🐻

読書