『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 心をつなぐスープカレー』


「スープ屋しずく」のシェフ・麻野がこしらえるスープにかかれば、お客の心も不思議な謎もあっという間にほぐれます。

リモート会議中に同僚がつぶやいた「人参がワープした・・・」という言葉の謎や、閉店を決めた洋食店「えんとつ軒」店主の真意など、

思わずスープが食べたくなる、美味しくて優しい書き下ろし連作短編全5話収録。


前作含め、このところ『子どもたち』がメインのお話が続いていたので、理恵さんの新オフィスでの話『人参リモートワープ』から始まるこちらの巻、楽しみました。


それにしても毎回思うのですが、突然出てくる新しい登場人物たちが複数いるにも関わらず、読みずらくない(名前を覚えていなくても文脈から人物が特定できる)ところが、友井さんの腕のあるところですね。


2021年1月の発行とあって、『リモートワーク』や『デリバリー』といった、コロナ禍を感じさせる設定になっていました。


A→B地点への移動ではなく、B→A地点の移動だった、みたいなミスリードの誘い方、ミステリっぽくて楽しかった。

油断してると、友井さん、すぐそういうことするんだから(好きです)。


紋佳🐻

読書