『私のカレーを食べてください』


第2回「日本おいしい小説大賞」受賞作!

古びた喫茶店を装いながら、本格的なスパイスカレーを出す「麝香猫」。
そこで働く山崎成美は調理師学校に通う19歳。
成美は幼い頃に両親が離婚、育ててくれた祖母も失踪してしまい、天涯孤独の身であった。

そんな彼女の運命を変えたのは、小学校の先生が作ってくれた一杯のカレーライス。
成美はその味を自分でも作りたい一心で調理を始め、カレーの奥深さに戸惑いながらも、ようやくきっかけを掴みはじめていた。
しかし突然、ある事情から「麝香猫」が店を閉めることになってしまい・・・。

理想のカレーを追い求める少女と人々の人情が織りなす、おいしい×青春×お仕事小説!


施設育ちの孤独な少女が出会った一皿のカレーライス。

その思い出を再現するべく、調理師学校に通い、一日三食カレーを食べ、毎晩オリジナルのカレーを作り、バイト先の喫茶店でカレーを提供する・・・という、カレー人生を歩む主人公。

カレーに取り憑かれ、極める姿は、『コンビニ人間』に近いものがありました。


喫茶店の店長が、私の大好物である『敬語遣いキャラ』なのもオススメポイントです。


決して恵まれた環境にいるわけではない主人公が、成功し、再びどん底へ叩きつけられる様は、読んでいて苦しい程でしたが、最後まで読めば、(ああよかった・・・)と、一筋の希望の光に救われます。


我が家のスパイスカレー職人(夫)にも、ぜひ、読んで欲しい1冊でした。


紋佳🐻

読書