『ギリギリ』


夫の一郎太が過労死し、寂しさを紛らわすかのように同級生の健児と再婚した瞳。

脚本家の卵である健児は、前夫の母・静江と妙に仲が良く、それが瞳は気に入らない。

ある日、瞳は家で健児が書いた脚本の草稿を見つける。

静江の伯母の思い出話をもとに構成したというその脚本を読むうちに、自ら選んだ「再婚」という選択に疑問を感じるようになり・・・。

妻、夫、元姑。

奇妙な三角関係が織りなす極上の人間関係小説!


相手に悪気があろうと、なかろうと。
こちらの受け取り方に問題があろうと、なかろうと。

人と人とが交流するときに生じる摩擦が、リアリティたっぷりに描かれていて、読んでいて心がそわそわ。(好きです)


上手く噛み合っていた歯車が 噛み合わなくなったり、
噛み合うことのなかった歯車が、ある時同じ方向へ回りだしたり・・・

人間関係は、常に変化していくものだということが、丁寧に描かれていました。


ラスト2ページでタイトルの真の意味がわかったときの衝撃が、たまりませんでした!


紋佳🐻

読書