『財布は踊る』


60万部超え大ヒット作『三千円の使いかた』の著者、最新刊は「お金のつくりかた」!

会社の同僚と平凡な結婚をし、ひとり息子にも恵まれ、専業主婦として穏やかに暮らす葉月みづほ。

彼女はある夢を実現するために、生活費を切り詰め、人知れず毎月二万円を貯金していた。

二年以上の努力が実り、夢を実現した喜びも束の間、夫に二百万円以上の借金があることが発覚して―

様々な事情で「今より少し、お金がほしい」人達の、切実な想いと未来への希望を描く!

ずっと読みたかった本をようやく手に取りました。

お金で失敗し、困窮状態の人物たちが、登場する本。

中盤までは、読んでいて辛くなりました。

私も学生の頃は、牛丼が買えないようなヒリヒリしていた時があって。

部屋にあった本を、片っ端から古本屋さんに持って行って食い繋いでいたことがありました。

もちろん現在も裕福という訳ではないけれど、未だに貧乏性なのは、その時代の名残ですねきっと。
(奨学金制度を使わずに大学を卒業させてくれた両親にはただただ感謝)


四年制大学を卒業しても、契約社員で手取り15万円。家賃に6万円、奨学金の返済に3万円、加えて貧しい実家に仕送りをして、友だちとはマックでマックシェイクを飲んでおしゃべり・・・

私の苦しかった時代がいかに一時的で、いざとなったら頼れる親に恵まれていたことが、なんて幸せだったことか。

齧らせてあげられる脛がないのが申し訳ない一方で、自分の子どもの幸せを、強く願わずにはいられません。


『ランチ酒』を読んで、その食べ物の描写の巧みさにファンになった原田ひ香さん。

その後読んだ『ギリギリ』や『彼女の家計簿』では、人の思考の描かれ方に感動。

これからも追いかけたい作家さんのひとりです。


紋佳🐻

読書