『月の立つ林で』


似ているようでまったく違う、
新しい一日を懸命に生きるあなたへ。

2021年、2022年本屋大賞2位!
『木曜日にはココアを』『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』の青山美智子、最高傑作。

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家―。

つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。

月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく―。

最後に仕掛けられた驚きの事実と、読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、心震える傑作小説。


いやー、こちらも、名作ですね。

青山さんにハズレなしの記録を、どれだけ更新してくださるのでしょうか・・・一生ついて行きます!


「おすすめの作家さん・本を教えてください」と言われる度に、読書初心者の方には、まず青山美智子さんをオススメする私。

どれでもいいです!青山さんなら本当に、どれから読んでもいいです!

とお伝えするのですが、こちらは青山さんのご著書の中でも特におすすめの本になりました。

月の満ち欠けとか、暦とか・・・静謐な物語が好きな方に、心から推薦したい。


各短編に登場する人物たちが、すれ違い、影響を与え合っていく様子は、まるで一本一本の糸が絡まりあってできる、美しいタペストリーのよう。

この登場人物たちが繋がっていくオムニバス形式は、青山さん作品の特徴ですが、こちらの本は、その繋がりが、特にあたたかく、愛に溢れていて。

自分というちいさな世界から、おおきな世界に向けて、祈りを捧げるきっかけになる、そんな物語ばかりでした。


ああちょっとこれは、個人的本屋大賞でした。
悔しいくらい。

(もちろん『汝、星の如く』も良かったけど・・・けど・・・)


紋佳🐻

読書