『光のとこにいてね』


第168回直木賞候補作&2023年本屋大賞第3位。

刊行以来、続々重版。
大反響、感動、感涙の声、続々!
令和で最も美しい、愛と運命の物語。

古びた団地の片隅で、彼女と出会った。
彼女と私は、なにもかもが違った。
着るものも食べるものも住む世界も。
でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。

彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。
ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。

どうして彼女しかダメなんだろう。
どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう・・・。

二人が出会った、たった一つの運命。
切なくも美しい、四半世紀の物語。


随分とひさしぶりに「感想が書けない小説」と出会いました。

もう、なんて言葉にしたらいいのかわからない、この気持ち。

じんわりあたたかくて、どこまでも美しい物語。

余韻を楽しみたくて、感想なんて考えたくもない、そんな感じ。


理屈では説明できない、人間の理不尽さ、残酷さ、不器用さが匂いたってくるのですが、でもそれが決して不快ではなくて。

むしろ、愛おしくてたまらなくなりました。

物語全体を、抱きしめたくなるような。


『私たちは全然違って、だからお互いが必要だった。』

分厚くて、重たくて、腱鞘炎になりかけながら読了です。

ああ暫くは、一穂さんの世界から抜け出せないだろうな。


紋佳🐻

読書