『カキフライが無いなら来なかった』


五七五の形式を破り自由な韻律で詠む自由律俳句を、妄想文学の鬼才せきしろと、お笑いの奇才「ピース」又吉が多数放出。

「雨と冷蔵庫の音に挟まれ寝る」(せきしろ)、「転んだ彼女を見て少し嫌いになる」(又吉直樹)など、センチメンタル過剰で自意識異常な世界が広がる。

500以上の句と散文、著者二人の撮影写真から構成。


もっと早く、このおふたりの化学反応を知りたかった・・・!

先日読了した『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』で登場していて、気になり、手にした一冊でした。


登山服の老夫婦に席を譲っても良いか迷う

見よう見まねのコイントスをしたばかりに

ホットではなくアイスが来たが受け入れた

醤油差しを倒すまでは幸せだった

スイッチ間違えて玄関が明るくなる

遅刻が確定した電車で読書

やはり原宿で降りたか


良いですね、自由律俳句。

たったの一行で、その前後の景色や心情、世の中の不条理が伝わってくるおもしろさ。

合間に突然現れる写真や、エッセイも良かったです。

おふたりの作品、遅ればせながら、追いかけます!


紋佳🐻

読書