『88歳ひとり暮らしの元気をつくる台所』


12万部のベストセラー『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』の著者、待望の2作目。

米寿にして溌剌とお元気な美智子さん。

その秘密は日々の食事に。

タンパク質を積極的にとり、「必要な栄養」をしっかり摂取している。

しかも、その調理法はとにかく簡単。

調理師免許を持つ「料理のプロ」でありながら、ベテラン主婦としての知恵とアイデアが凝縮された食事づくり。

本書ではそれを大解剖。

茹でただけのアスパラ、グリルで焼いただけの肉など、「レシピ以前の調理」もたくさん。

また、食べるのが大好きな美智子さんは、食事の時間を心から楽しんでいる。

お気に入りの器に盛り、晩酌を欠かさない。

豊かな食卓のヒントも。

調理道具など台所周りについても解説。

巻末には10万部超のベストセラー『70歳からは超シンプル調理で「栄養がとれる」食事に変える!』の著者、管理栄養士の塩野﨑淳子さんと対談。


『87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし』で、すっかりファンになってしまった多良さんの、第2作目。

こちらは、お料理や調理道具などを深堀した1冊で、読んでいるだけでキッチンに立ちたくなってきました。


『切っただけ、ゆでただけ、味付けは醤油と砂糖だけといった、「レシピ以前」のものばかり。
でも、そんなシンプルな食べ方が、一番おいしいなと思っています。』

65歳のときに調理師学校へ行き、調理師免許を取得した多良さん。

ご自身で「粗食」と表現されている食事の内容はどれも、とてもシンプル。

栄養のことも考えながら、自分が食べたいものを追い求めた理想のかたちでした。

義母も、蒸したり焼いたりしただけの野菜が好きな方で、「新鮮でおいしい野菜を、素材のまま楽しむ」という贅沢を教わって、私の人生はさらに幸せなものになったなと常々感じています。

食材がよろこぶ調理は、きっと身体もよろこぶ。


大根をぬか床に入れる前に、半日天日干しをすると、甘みが増して食感も良いとあったのですが、ぬか床の中に水分が出ないから、手入れも楽だよなあと感心。今度やってみます!


塩野﨑淳子さんとの対談もよかった。

多良さんの食生活をほぼ把握した上で、塩野さんのアドバイスを伺うことによって、学びがさらに深まった気がします。


自分の好きな味、食べられる量、不足している栄養・・・

己と向き合って、たいせつにしている多良さんの暮らしは、幸福そのものでした。


紋佳🐻

読書