『アンハッピードッグズ』


犬と恋を描くことが好きな近藤史恵さんの、初の恋愛小説。

パリという舞台にふさわしく、「指の間をこぼれ落ちていく恋愛」が描かれた、美しくも暗く、耽美な物語。


近藤史恵さんワールド全開のアンニュイさは、オトナ女子の痛いところに響きます。


『広い窓から、午後のまろやかな日が射し込んでいる。

わたしは、こうして窓に切り抜かれた日差しが好きだった。

無制限に惜しみなく与えられるものより、なにかに遮られて、少ししか届かないものの方が、愛おしく思えるのはなぜだろう。』



壊すことが、幸せなこともある。

それが不幸な未来を生むとしても。

人間って本当に愚かですね。



紋佳🐻

読書