『銃』


2002年に第34回新潮新人賞を受賞した、中村文則さんのデビュー作。

『王国』を拝読した時にあまりピンとこなかった中村文則さん。

当時の私には、文章のリズムとか、テンポが、読み進める中で合わせられなかったんだと思うのですが、今回は、少しずつなんとか合わせていけた、という感じでした。


『昨日、私は拳銃を拾った。あるいは盗んだのかもしれないが、私にはよくわからない。これ程美しく、手に持ちやすいものを、私は他に知らない。―』


拳銃を拾った人間が、どのような心理状態に陥り、どのような破滅の道を歩むのか・・・。

自分を常に正当化し続けようとする主人公の思考が、何より恐ろしく、生々しく描かれておりました。

なるほど、映画化しそうである。

#中村文則

#銃



紋佳🐻

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