『世界でいちばん透きとおった物語2』


シリーズ累計50万部の超話題作。

新人作家と敏腕編集によるビブリオ・ミステリ。


新人作家の藤阪燈真の元に奇妙な依頼が舞い込む。

コンビ作家・翠川双輔のプロット担当が死去したため、ミステリ専門雑誌『アメジスト』で連載中の未完の作品『殺導線の少女』の解決編を探ってほしいというものだ。

担当編集の霧子の力を借りて調べるうちに、小説に残された故人の想いが明らかになり─。


各種メディアで話題沸騰。

新人作家と敏腕編集による、ビブリオ・ミステリ第2弾!


「ミステリのアイディアというのは、驚愕と納得を両立させるためのなにがしかの仕組みです。ちょっとやそっとでは考えつかない見事なものでなくてはいけないんです。
今わたしがいくつか話したようなものは単なる思いつき、驚愕と納得のどちらか片方にしか寄与できない、簡単に考えつく当たり前のものに過ぎません。」

「はあ・・・・・・」

なんだか耳が痛い。僕もそういうものを考えついて自作に織り込まなければいけないのだ、と思い知らされる。霧子さんはそんなつもりで話しているわではないだろうけれど。

今回は、亡くなった作家の連載の結末を推理する、というテーマ。

ミステリ作家にとって耳が痛いであろうことを、登場人物にビシバシ言わせてしまうのだからすごい。

作家、編集者、読者・・・といった、さまざまな視点から、忌憚のない意見をストレートにぶつけてくれるのが杉井さんらしさのひとつだとつくづく思うのでした。


『そうして僕は、萌え出ようとしている草の芽がコンクリートの隙間を軋らせる音を胸の内側に聞きながら、物語を書き始める。』

執筆中の描写に迫力があって好きでした。


「わかっています。でもそんな常識的な見解では、わたしのこの卑しい嫉妬心は癒せないんです。」

「はい。わたしが喜びすぎてひとりじめしたくなって編集長に出版したくないですと宣言してしまうくらいすごいのを、待っています」

この編集者さんがもう、かわいくてかわいくて。

奥手の主人公との微かな駆け引きというか、恋未満の感情が、なんとも微笑ましいのでした。


紋佳🐻

読書