『小さな幸せで満たす日』
俳優の常盤貴子さんによる撮り下ろし・書き下ろしのフォトエッセイ。
常盤さんの衣食住を紹介しています。
華やかなパブリックイメージとは少々違い、地に足のついた堅実な暮らしをしている常盤さん。
50代の常盤さんが大切にしている“普通の暮らし”と“人生後半に備えて日々心がけていること”などを「暮らし」「おしゃれ」「美容と健康」「心の栄養」「仕事と私」の5つのテーマで7万字超の文章で綴っています。
フォトグラファーの撮影による常盤さんのカラーグラビアも一部盛り込みつつ、エッセイ部分の写真はすべてご本人の撮影によるもの。
また、文章にも飾らない人柄があらわれており、時にクスッと笑える内容に。
読みごたえもたっぷりです。

『連続ドラマに出演し続けていた20代。
なかなかに荒んだ生活を送っていた中で、ふと「こんなことではいけない」と気づき「私、筍を茹がく女になろう」と決めた。』
読みまして?この導入。
エッセイばかり読んでいる私なのでわかります、はい、もう面白い本です。
大林宣彦監督との思い出話も勉強になりました。
『(略)
実は長年、「俳優が理解を深めることへの良し悪し」について思案し続けていた。新人俳優さんたちが監督に「こうやって」と言われた通りにした芝居が最高傑作となる事はままあるが、小津安二郎監督の映画ではあれだけの名優たちが出演していながら、演者さんたちは「監督の指示通りに動いていただけだよ」とおっしゃっているインタビューを読んだことがある。そのことを大林監督に質問してみると、あの大きな笑顔で「そうだね、俳優が出した答えをそのまま表現して押しつけては、映画を観ている観客に対して失礼だものね」と。』
考えなれば、理解しなければ・・・
でも、視聴者を信じなければ。
しかし自分なりの答えを持ち寄った上で、客観的にかたちを整えられるのが監督(ディレクター)ということだし。
ぐるぐる。自分は、まだまだ途上です。
迷いながら、走ることを辞めないことが、答えかもしれない。
常盤貴子のプライベートが身近に感じられました。
とても知的で深くて、穏やかでフラットな方なんだなあと。
ただただ、かっこいい。
紋佳🐻
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