『春から夏、やがて冬』


ぽつり、ぽつりと描かれる場面が、少しずつ繋がっていく感覚は、舞台を見ているような感じがしました。

結局、どこまでが真実で、どこからがそうでないのかが、靄にかかった結末なところも。


『ミステリとは、トリックの奇抜さや、謎解きの秀逸さや、結末の意外性だけで評価されるべきものではない。

人の心の不可解さ、人間存在の不思議さと神秘さの探究こそが最大のミステリを規定するものであろう。

その意味において本書は、最大最高のミステリと言えるのである。』

後述の解説に、とても同意。


その点、歌野さんと、近藤史恵さんのミステリ色は近いものがあるかも。



紋佳🐻

読書