『ポンコツ一家 2年目』


母よ、認知症が忘れたフリしたら、ややこしいよ。

母、81歳、認知症&糖尿病
姉、48歳、ダウン症
父、82歳、酔っぱらい
私、47歳、元SMの女王様キャラの一発屋

全員今でもポンコツである。

「壮絶だけど笑って泣ける」家族のリアルな物語がパワーアップ!


『全部捨てて、ホテルに泊まりたい。思うより先に、指がしがらみから逃げるようにスマホで検索し始めている。私が払えそうなところは、どこも満室だ。』

『ギリギリ足りたことの安堵か・・・家電は買えたよ。ど貧乏でもないよ。でもさ、お金、お金って、いっつも考えちゃうよとATMの前で、泣く。やだ、これしきのことで。私の情緒よ、しっかりしてくれ。』

『お金はすっからかんだ。生活はできるよ、今のところね。でも貯金がないって怖いよ。助けたい時にお金がなくて助けられないことが怖いんだ。』

『私が病んでは元も子もない。わかっている。だから自分ファーストと思うが、それすら見失う。』

一作目よりもさらにパワーアップした面白さがある反面、にしおかさんの精神的・経済的負担も増している気がしてしまう文章たち。

これはもはや悲鳴ではないだろうか。

笑えるようで笑えないシチュエーションも多く、ちょっと読んでいてつらくなりました。

いえ、もちろんクスッと笑ってしまうところもたくさんあるんです。

そこはさすが芸人さん。


お金の不安がいちばん堪えますよね。

収入は歩合制、仕事がコンスタントにあることが保証されているわけではないのでクレジットは使いたくない現金主義、毎月毎月今月は足りるかと不安でいっぱいなきもち・・・職種が似ているからこそ共感できてしまってつらい。

わかります、とても。


『家族を晒すも、守るも私だ。私にとって書くことは、このふたつが同じ線上にある。』

この言葉が、筆をとるにしおかさんの全てを表しているようで沁みました。

どうかご自分を守ってほしい。

家族を守る前に。

またいつか、現実逃避のためのひとり旅をしてください。


にしおかさんの旅エッセイが読みたいなあと心の底から思う私です。


紋佳🐻

読書