『口笛の上手な白雪姫』


たとえ世界中が敵にまわっても、僕だけは味方だ。

公衆浴場で赤ん坊を預かるのが仕事の小母さん、
死んだ息子と劇場で再会した母親、
敬愛する作家の本を方々に置いて歩く受付嬢、
ひ孫とスパイ大作戦を立てる曽祖父——。
不器用で愛おしい人々の、ひたむきな歩みが深く胸をうつ。

静謐で美しい傑作短編集!


繊細さの中に激しさが渦巻いていて、
美しさの中に絶望が潜んでいて、
怖いもの見たさで覗き込んだら最後、もう後には戻れない・・・

そんな小川洋子さんワールド全開でした。


歪んだファンタジーといえば小川さん。

その毒々しさたるや、天下一ですね。


紋佳🐻

読書