『恋愛王』


恋愛は、いつ終わるか分からない甘美な悲劇である。

“素直になれない自分”に悩み、独り殻に閉じこもっていれば、自意識は満足させられるかも。
でも、勇気をもって踏み出さなければ、甘美な苦しみさえ味わえない。

恋人に、「どーして分かってくれないのお!」と叫ぶあなた。
人間はもともと完全には分かり合えないものだと気付いたら、ほんの少し分かり合えただけで幸せになれるはず。

誰かを真剣に理解したいと願うことこそが本当の恋の始まり。

さて、一歩踏み出したあなたに、究極の恋愛を経験するための奥義を、恋愛王が伝授します!


『恋する伊勢物語』の中で、俵万智さんが紹介されていた本。
その中では鴻上さんが『恋する伊勢物語』を引用されているという。
なかよしなんですね。

いちばんはっとしたのは、この部分。

(略)男と女は、本当に異文化なんだなということです。
いえ、ひょっとすると、人間一人と人間一人とは、どんなに分かりあえていると思っていても、文化が根本から違う、つまり異文化なんだなということです。

よく女は男が、男は女が分からないと言いますが、考えてみれば、恋愛以外に、深く他人を理解しようとすることなどないのです。
恋愛が、初めて、僕達を徹底的に他人と出会わせるのです。

確かにそうだよなあって、深く頷くのでした。

これが10代~20代をターゲットにしている『JJ』の連載だったんだから・・・
いやあ30年前の若者は大人だなあ。

そしてこれを書いた鴻上さんも当時30歳。
・・・大人だなあ。

紋佳🐻

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