『風の万里 黎明の空 下:十二国記』


王は人々の希望。だから会いに行く。

景王陽子は街に下り、重税や苦役に喘ぐ民の暮らしを目の当たりにして、不甲斐なさに苦悶する。

祥瓊は弑逆された父の非道を知って恥じ、自分と同じ年頃で王となった少女に会いに行く。

鈴もまた、華軒に轢き殺された友の仇討ちを誓う―王が苦難から救ってくれると信じ、慶を目指すのだが、邂逅を果たす少女たちに安寧は訪れるのか。

運命は如何に。


上巻ではバラバラの方向を向いていた3人の女の子たちが、最後には同じ方向を向いてちからを合わせる姿に感動。
運命に翻弄されながら少しずつ近づいていく展開にワクワクしました。

怒涛の伏線回収劇は爽快で、
陽子が景王であることを告白した後の女子ふたりの心理描写がよかった。

悲劇のヒロインを描きがちなただの少女向け作品とちがって、「お前より不幸なやつなんていっぱいいる」と何度もプライドをへし折る描写も新鮮でした。


国もひとも、きれいなだけじゃ上手くいかない。
まさに「幸せになろうとする努力」がたいせつなのだと自分を省みました。

女王って大変なんだなぁ。


紋佳🐻

読書