『風の谷のナウシカ1』


「火の七日間」と呼ばれる戦争によって巨大産業文明が崩壊してから千年。

荒れ果てた大地には「腐海」と呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の森が広がり、衰退した人間の生存を脅かしていた。

酸の海のほとりに、海から吹く風によって腐海の毒から守られた「風の谷」という辺境の王国があった。

そこでは、王女のナウシカを中心に人々は自然を尊び平和に暮らしていたが、大国トルメキア軍の侵略に遭い・・・。


いつもさまざまな書籍をお勧め&貸してくださるクラリネット吹きのお姉さまから、「全巻」お借りしました。

なんでも、アニメーション映画は、「ほんの入口」だそうで!

しかし私が『風の谷のナウシカ』を観たのはおそらく小学生の頃に一度きり・・・(『トトロ』と『紅の豚』は、ビデオテープが擦り切れるほど観ていました)。

とても新鮮な気持ちで読み進めています。


当時は「こわい」と思っていた蟲たちも、園芸を嗜むようになったいまはナウシカの「生き物として愛おしむきもち」に共感できるように。

戦争のお話で、なんだか難しい・・・と思っていた幼い頃に比べて、登場人物の心の機微を感じられる年齢になったいま、再会できてよかった作品の一つになる予感がします。


『今はもう、なんとかしてこの少女に、解放と平和な日々へたどりついてもらいたいと願っている。』

あとがきのラストに記された宮崎駿さんの願いが、まさに「物語は勝手に進んでいく」ことを表していて、痺れるばかりです。


紋佳🐻

読書