『ぼくもだよ』


盲目の書評家のよう子。
路地裏でひとり古書店を営む本間。
それぞれが見つけた、本がつなぐ奇跡の物語とは―。

「読書はどんな孤独な行為に見えたとしても、人や世界とつながることです」

神楽坂に盲導犬と住むよう子の楽しみは、出版社の担当・希子と隔週の木曜日に、打ち合わせを兼ねたランチをすること。

一方、神楽坂の路地裏で〈古書SLOPE〉を切り盛りするバツイチの本間は、五歳になる息子のふうちゃんと、週に一度、木曜日に会うことができる。

書物への深い愛、物語への強い信頼、それを分かち合える大切な人。

本に込められた“想い"を伝えていく―


「視覚障碍者」の中でも点字が読める人が10%しかいないということや、

「盲導犬」はハーネスを付けているときに話しかけてはいけないということ、

目が見える人のことを「晴眼者」ということや、

点字図書館のサービスについてなど、初めて知ることがたくさんありました。


また、古書店についても詳しく知ることができました。

お金のない大学生のとき(いまもないけど!笑)、古書店の表に出ている『100円セール』のワゴンに飛びついては、

お気に入りの作家の、まだ未読の書を見つけるたびに感激し、胸が高なったのを昨日のことのように思い出します。
(本当の意味での古書店の楽しみ方ではないんだけど)


本好きの登場人物たちの、愛読書(実際に存在)がたくさん出てきて、「読みたい!」と思わされること度々。


目で読むだけが読書ではない。

自分の視野の狭さを思い知るのでした。


紋佳🐻

読書