『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん (1)』


日本一の歴史をもつミステリーファンクラブ「SRの会」にて国内1位に選ばれた『ボランティアバスで行こう!』著者の最新刊は、美味しくて心温まるスープ屋ミステリー。


東京のとある一角。

どこの店も「close」の看板がかかる早朝に、スープ屋「しずく」は、こっそり営業している。

フリーペーパー制作の仕事をする理恵はある朝、しずくでポトフを口にした途端に、しずくの虜になった。


職場で起きた盗難事件と対人関係で悩み、食欲も減退していた理恵。

店主の麻野に悩みを抱えていることを見抜かれて話すと、麻野は推理を繰り広げ、鮮やかに解決する!


おいしい料理、ほっとする店内・・・

傷ついた人たちを癒し、

困った事件を解決してくれる喫茶店。

そんな、よくある物語かなと思って読み始めたのですが、予想が当たっている部分と、そうでない部分とがありました。


当たっていたのは、困った事件を解決してくれる店長がいるお店だということ、

その店長さんが「敬語好きな私」にささる敬語の使い手であるということ、

やさしさでいっぱいの料理、店長、お店の雰囲気に、訪れた客が癒されていく物語だということ。


でも、よくあるグルメミステリー喫茶店小説と違うのは、舞台が『スープ屋さん』だということ。

毎回美味しそうなスープが登場し、豆知識や、使用している素材の栄養、その効能などが学べます。

スープ好きにはたまりません。


続編も読みたい、と思わせるラストの工夫も素敵で。

グルメ小説が好きな方も、ミステリ好きの方も、

ほんわか敬語系男子が好きな私のような方も・・・ぜひお読みください。


紋佳🐻

読書