『演じられた白い夜』


雪山にある元ペンションの施設を借りて芝居の稽古をする男女7人。

毎朝出演者に配られる芝居用の台本。

その通りに起こる殺人事件。

ひとり、またひとりと消えていくものの、雪のせいで助けを呼ぶことができないという、クローズドサークルです。

難しかったのは、『名前』。

怒涛のように芝居の中と、現実世界を行き来するので、

「役名」と「役者の名前」がなかなかリンクしない。

最初に『人物紹介』でも載せてくれていたらもう少し読みやすかったかな。


トリック自体、やや不完全燃焼なものばかりなのと、

伏線の張り方、回収の仕方もそれぞれ中途半端な印象でした。

(盛り上げ方という意味で)


近藤史恵さんの本を読み漁っているけど、

今回だけ、ちょっと期待はずれでした。

(カフェやレストラン、会社内で起こるライトなミステリーという作風の方が、近藤さんの作品の中では個人的には面白いです。)


近藤さんが、もともと芝居人だったのは知らなかった!

きっと劇団内のドロドロした男女関係を描きたかったんだろうな。

意外性に欠けたのは、そういう種類のトラブルに、いい加減うんざりしているからかもしれない。



紋佳🐻

読書