『書店員と二つの罪』
ベストセラー「書店ガール」シリーズの著者が描く、慟哭のミステリー。
書店員の椎野正和は、ある朝届いた積荷の中に、少年犯罪者の告白本があるのを知って驚く。
それは、女子中学生が惨殺され、通っている中学に放置された事件で、正和の同級生の友人が起こしたものだった。
しかも正和は、犯人の共犯と疑われてしまい、無実が証明された後も、いわれなき中傷を受けたことがあったのだ。
書店業界が「売るべきか売らないべきか」と騒然とする中、その本を読んだ正和は、ある違和感を覚えるのだが・・・。
出版・書店業界の裏事情を巧みに盛り込んだ、著者渾身の長編小説。
『それはエゴといえばエゴだけど、エゴのない自己表現などあるのだろうか。
そもそも表現すること自体、エゴの塊だ。
そのエゴの塊を商品化し、心地よい娯楽として消費することの方が、実は歪なことなのではないだろうか。』
表現の自由は護られるべき。
その受け取り方までは、表現者の責任ではない。
表現する業界に携わる者として、いろんなことを考えさせられる内容でした。
『書店ガール』読んだことがなかったのですが、「本屋さんの裏事情」がたくさん詰まったこちらの作品もとても楽しみました。
・・・と思ったら、碧野さんって『菜の花食堂のささやかな事件簿』シリーズを書かれてましたね。
(そちらは拝読済)
ますます『書店ガール』、読みたいと思います!
紋佳🐻
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