『「星の王子さま」と永遠の喜び』


私たちが生まれてから家庭や社会で出会う、人生のさまざまな時期や場面での「よろこび」について考える。

サン=テグジュペリの「星の王子さま」の声に耳を傾け、探していた自分のよろこびを発見する。


チェコ生まれ、ドイツ育ちで、日本で神父を務めることになった、ルドルフ・プロット氏。

毎週『星の王子さま』の読書会をひらいていたということもあり、キリスト教を絡めた視点から『星の王子さま』を読み解かれています。


『星の王子さま』の他にもさまざまな詩、作品からの引用があったのですが、

渡部和子さんの『美しい人に』に綴られている微笑みの力のお話が印象的でした。

『もしあなたが誰かに期待したほほえみがえられなかったら
不愉快になる代わりに
あなたの方からほほえみかけてごらんなさい
実際ほほえみを忘れた人ほど
それを必要としている人はいないのだから。』

とても素敵。

持っている人が、持てずにいる人にお裾分けする。

ほほえむ余裕のある人が、ほほえむ余裕のない人に、余裕を分けてあげる。

そんな世界の一部に、自分もなりたい。


また「祈り」に関する記述も。

「祈る」という行為は、「神頼み」ではない。

「神様にやってもらおう」ということではなく、
祈ることによって「自分を変える」ということ。

誰かのために祈ること、また、祈ってもらうようお願いすること。

助け合い、支え合いですね。

「祈り」について、考える時間となりました。


『この本が今の日本の多くの若い人、特におとなの方に読まれて、少しでも「砂漠の中の泉」を発見する手助けになればと、祈っています。』

まさに、そんな本でした。


紋佳🐻

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