『よろしくパンダ広告社』


広告社って、なにをする会社か知ってる?

商品のCMやポスターなどの広告を作る会社なんだ。

なかでも広告の言葉は、みんなを元気にしたり、気持ちを結びつけたり。

そんな魔法の力を持つ言葉と格闘する、ぼく、パンダ広告社の本田パンダです。


『パンダのぼくがいうのもなんだけど、笹の葉って、微妙なんだよね。味があんまりしないし、結局のところ葉っぱだし。』

冒頭から間部さん節炸裂!

こちらも本当に楽しい児童書でした。


『パンダ子は、カラフルなものが好きなのだ。自分の体が、白と黒だけなのが、物足りないらしい。』

着眼点がすごいし、各キャラクターの個性が楽しくて。

色んな動物が出てくるのですが、互いに影響を与え合い、気づき、成長していく姿に感動しました。


コピーライターとして働く本田パンダくんが、試行錯誤しながら言葉を練っていく様子にワクワク。

各章の最後に登場する、これだ!というキャッチコピーを読む度に、鳥肌が止まりませんでした。

コピーライターって本当にかっこいい。


グラフィックデザイナー、コンペティション、守秘義務、プレゼンテーション・・・

専門用語の数々が、子どもが読んでも分かるように、やさしく、でも物語の流れの中で、あくまで自然に説明されています。


「間部さんの本。へぇ、広告社のお話なんだ!読んでみたい」

と手にしたこちらの本でしたが、説明に終始しているわけではなくて、主人公・本田パンダくんの成長物語でもあり、ピンチをチャンスに変えていくその爽快感は、池井戸作品のようなお仕事ドラマでもありました。


間部さんの文章のテンポ、登場人物たちの個性の豊かさ、好き。

他の作品も、拝読します!


紋佳🐻

読書