『愛すべき娘たち』


「女」という不思議な存在のさまざまな愛のカタチを、静かに深く鮮やかに描いた珠玉の連作集。

オトコには解らない、故に愛しい女達の人間模様5篇。


よしながさん好きの読書友だちが、「読んで欲しい」と送ってきてくれた一冊。

ありがとう。


横顔を並べたコマで、ささやかな目の開き具合の変化とか、眉毛の動き、口角の動きだけで、心情を読み手に汲み取らせる・・・

こういうのはやっぱり活字じゃなくて、漫画ならではの表現力だよなぁと、しみじみ楽しみつつ。

でもシンプルに活字だけのコマでは、言葉がじんわり染みてくる。

漫画って、映像と活字の良いとこ取りですね。


『あたしが親になった時
あたしだってきっと
完璧な親じゃない
理不尽な事で子供に
八ツ当たりもするだろう
でもその時あたしは
絶対にその子に
「あんたのために叱ったのよ」
なんて嘘はつかないんだ』


『母というものは
要するに
一人の不完全な
女の事なんだ』


母親からの、または親戚からの、何気ない一言や、「あなたの為を思って」の一言が、どんどん体内に蓄積していった結果、その言葉に縛られ、呪われ、生きることが不自由になっている登場人物たち。

もはやそれは「洗脳」。

でも大なり小なり、「ネガティブな思い込み」によって苦しんでいる人、少なくない気がします。


自分も我が子たちに、心の澱となるような言葉ではなくて、栄養になるような言葉を、浴びせてあげられたらと思いました。

この本に出会わせてくれた、友人に感謝。


紋佳🐻

読書