『九十歳。何がめでたい』
『九十歳。何がめでたい』というタイトルには、佐藤愛子さん曰く「ヤケクソが籠っています」。
2016年5月まで1年に渡って『女性セブン』に連載された大人気エッセイ。
一度は下ろした幕を再び上げて始まった連載『九十歳。何がめでたい』は、「暴れ猪」佐藤節が全開。
自分の身体に次々に起こる「故障」を嘆き、時代の「進歩」を怒り、悩める年若い人たちを叱りながらも、あたたかく鼓舞しています。
自ら災難に突進する性癖ゆえの艱難辛苦を乗り越え92年間生きて来た佐藤さんだからからこそ書ける緩急織り交ぜた文章は、人生をたくましく生きるための箴言も詰まっていて、大笑いした後に深い余韻が残ります。
ぜひ日本最高峰の名エッセイをご堪能ください。

子どもが泣けば煙たがられ、
犬は吠えないようにしつけられ・・・
何かと周囲に気を遣う現代に、ストレートに投じられた一石。
『騒音は生活が平和で豊かで活気が満ちていてこそ生まれる音である。
戦争体験者である私は、空襲警報が鳴り響き、町は死んだように鎮まり返った怖ろしい静寂を知っている。
犬の吠え声もなかったのは、食糧欠乏のために犬を飼う人がいなくなったためだった。
「赤犬は食えます」などという人がいたりして、犬もオチオチ吠えてはいられなかった。
町の音はいろいろ入り混っている方がいい。
うるさいくらいの方がいい。
それは我々の生活に活気がある証拠だからだ。
それに文句をいう人が増えてきているというのは、この国が衰弱に向かう前兆のような気がする。』
町が鎮まり返った世界を、確かに戦後生まれの人間は経験していない。
そういう考え方があるのだと、知ることがまず大事だなと思わされました。
当たり前だと思っていた常識や価値観が、長い歴史の中の、ほんの一時のものに過ぎないと思わされるエピソードが盛りだくさん。
人生経験が、まだまだ足りないわ。
母が映画館で映画を観てきた、と聞いて拝読したのですが、刺激と元気をいただきました。
ついに、つかTが・・・歌います!!!
https://twinkle-live.info/the-third-star

紋佳🐻
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