『この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない』


とうとう僕の人生に事件が!?
30代・独身・一人暮らしの日常が向かう先は。

外食、旅行、趣味を謳歌しまくり、仕事の失敗や思いつきの行動に少し反省、たまに幼い頃の思い出にほろ苦い気持ちになる、誰もが経験しうる毎日。

しかし、そんな平々凡々とした生活に、終止符が打たれるときがついに来た!?

たわいないこの世界に思いもよらない角度から殴り込みをかける、待望の最新エッセイ集。


隣の墓地から現れる蟻との攻防戦を描いた『墓場から侵入する蟻との闘い』は、ラストのオチに、岩井さんの落胆する背中が見えるようで共感と共に笑えたし(悲劇は喜劇)、

『旅行前夜の悲劇に打ち勝つ』には、当時の岩井さんの絶望や焦燥感に共感して、こちらも手に汗握りながら読み進め、結末に思わず脱力してしまうほど。

一瞬一瞬の切り取り方が鮮やかだから、事件が起きた当時の岩井さんの落ち着き、冷静な思考が、より際立って伝わってくる。

自分のことを俯瞰して、客観的に描く達人です。岩井さんは。


一人旅に赴いたり、観劇やドライヘットスパなど、興味の有無に関わらず挑戦してみる系の内容も多く、「連載のネタを考えるのも大変なのだろうな」と、そんな苦労も伺えたり。


2作目より1作目の方が尖っていて面白かったと、以前感想を書いたのですが・・・

世間に対してというよりは、己と向き合った内容が多く、どのエッセイにも、共感の嵐だった3作目。

え、ちょっと待って、もしかして私も、「真まっすぐ歩けない」側の人間だった?(納得)


紋佳🐻

読書