『さやかの寿司』
母の納骨を終えた作田まひろは、「別れ」を受け入れるため、幼い日に母と一度だけ訪れた寿司店にやってきた。
海辺の町の鄙びた商店街の「江戸前夕凪寿司」という小さなお店。
意を決して暖簾をくぐるも、ランチ営業はちょうど終わったところだった。
がっかりしたまひろだったが「ちょっと、お客さぁん」と若い女性の綿飴みたいな声に呼び止められ、まかないの海鮮丼をいただくことに。
「さやかさん」と呼ばれる声の主は、ふんわりした見た目とは裏腹に、丁寧な「仕事」をする凄腕の寿司職人で―
名手・森沢明夫による『キッチン風見鶏』『おいしくて泣くとき』に続く〈最高においしい小説〉シリーズ第三作目は、海辺の町の知る人ぞ知る寿司店が舞台。
厳選されたネタと職人の丁寧な仕事による極上の寿司をご用意して、常連客も訳アリ客も、心を込めておもてなしします!

『女だから――
女のくせに――
女じゃ――
女にしては――』
こう、言われたくない言葉を、ずばずばと言われる体験も、読書ならでは。
ストレスを感じれば感じるほど、その後の展開に期待しちゃいます。
『「さやかの握る寿司は、きっと、たくさんの人を笑顔に出来るよ。だから、寿司を握ることそのものが好きなうちは続けたらいいよって。
修業が辛かったらここに帰ってくればいいし、『女だから』なんて言ってくる奴らは、いつか味で黙らせてやればいい。
さやかは俺の孫だから、寿司の味で負けるはずはないって」』
自分の子どもにも、そう言える自分でありたいなと思いました。
『私の子どもなんだから、きっと大丈夫』って。
そう伝えて説得力のある母親でいようと、肝に銘じた一節でした。
『「うん。ぜんぜん違ったの。とにかく、さやかの好きにしなさいって。人生でいちばん大事なのは『いつでも自由にいること』だからって。」』
『「とにかく、俺は、阿呆で愉快な土建屋のオヤジでいてえんだよ。仕事が終わったら、好きな酒をかっ喰らって、ゲラゲラ笑いながら地元をフラついてるような、そういうしょーもないオヤジのまま死ねたら最高だろ?」
「なるほど・・・。しょーもないオヤジっていうのも、なんだか自由な感じで、悪くないかもですね。」』
自由でいることのたいせつさ、忘れていました。
自分を不自由に追い込んで、それで幸せじゃなーいって叫んでいることの、滑稽さよ。
ラストはほんと、
もう、森沢さん、ズルいです・・・・・・。
紋佳🐻









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