『「性格が悪い」とはどういうことか』


「人をコントロールしたい」
「退屈さを感じることが多い」
「私はほめられて当然だ」
「人が苦しむ様子を見てしまう」
あなたの中にもある「ダークな面」を、心理学が分析する。
 
ダークな性格として、典型的なものは「マキャベリアニズム」「サイコパシー」「ナルシシズム」「サディズム」の四つである。

それぞれの特性、測定方法を紹介、また仕事の相性、職場での行動、人間関係、異性との付き合い方等を分析し、どんな問題に結びつきやすいか、さらにその気質は遺伝なのか、環境なのかにも迫る。

「望ましくない」性格が社会で残っているにも理由があり、どんな人にもダークな面はあることも明らかにする。


『ナルシシズム』、『サディズム』、『マキャベリアニズム』、『サイコパシー』―

まず4つの「ダークな性格」の解説の後、そのような傾向のみられる人物たちが取り上げられた論文(実験・研究結果)に触れられています。


所謂インターネット上での「荒らし」、
マッチングアプリ、ギャンブル、好んで住む街・暮らしについて・・・などに言及した部分も興味深かった。

場合によっては、プレッシャーをものともしない性格故に、大手術を前にした医者、世紀の裁判に臨む弁護士、巨額を扱うトレーダー等、「ダークな性格」を活かして活躍する人たちも。


『(略)やはり、自尊心が高くても安定させることができていない人は、物事がうまくいっているあいだは高い自尊感情を維持することができるのですが、生活の中で何か問題が起きたときには一気に自分の価値を感じられなくなってしまう可能性があります。(略)』

これだ・・・
感情や精神状態に波のある自分の課題、『安定性』。

自分もまた、自己肯定感・自尊感情が維持できるときとそうでないときの落差に、自己嫌悪に陥るタイプだと、自己認識を改めました。


『自尊感情はself-esteem、自己効力感はself-efficacy、自己価値はself-worth、自己尊重はself-respect、自己受容はself-acceptanceなど、学問の世界で使われる用語として日本語と英語の対応がつけられています(略)
一方で、いわゆる「自己肯定感」は、「これだ」という心理学の学問上の英語表現が存在しません。
この言葉は、非常に「ふわっと」した日本語の意味を表しているに過ぎないのです。』

自己肯定感は学問上対応する英語がない。

「日本人のために生まれた日本の言葉」と知り、さもありなんと納得するのでした。


紋佳🐻

読書