『デルフィニア戦記 放浪の戦士2』


偽王の濡衣を着せられたウォルを慕い次々と集結する仲間たち。

国王軍を名乗り進軍する彼らに立ち塞がる敵。

圧倒的な戦力差にリィがとった奇策とは!?


少女は頭を抱えて呻いた。
それから隣の山賊に同情の目を向けた。
「おまえがこの馬鹿をブランに嘆いた気持ちがすごくよくわかるな」
「だろう。な?嘆きたくなるだろう」
少女の右側からイヴンが妙に勢いづいて身を乗り出してきた。
「もう何考えていやがるんだ、この馬鹿はって思うだろう?」
「おい。おまえに言われる覚えはないぞ」
今度は左側からウォルがむきになって反論する。

この3人かわいいなぁ。

戦場にいながら軽口を叩きあえる関係性に、ほっこり。


山賊であり幼なじみのイヴンが、良いキャラですね。

国王だ陛下だと距離をとる従者たちと違って、幼なじみだからこそのくだけた会話が愛おしい。


戦闘シーンは思っていたよりもさらりとしていて、十二国記のような生々しさや残酷さはない。

物足りなさも感じつつ、そのぶん登場人物たちの思考や心理描写に集中できるのでした。


紋佳🐻

読書