『思いを伝えるということ』


つらさ、切なさ、何かを乗り越えようとする強い気持ち、誰かのことを大切に想う励まし・・・。

エリーが本当に思っていることを赤裸々に、自身も驚くほど勇敢に書き記した、詩と短篇小説。

言いたくても言えない、思いばかりがつのってパンクしそうな人に読んでほしい、宝物のような一冊。


『みなさんね、いろいろあると思うけど
本当に、いつかね、いろいろが、溶けて、ほどけて
気にならなくなる、灰になるときが来ますから
それまでね、もしこの本が少しでも何かの足しになったら
いいなぁ、嬉しいなぁと思います。
きちんと堂々と、今は、みなさんにこの本を
自信を持って、
私の本です、と、お渡しできる、そんな気持ちです。
みなさんへの、ラブレターというか。
思いを伝えるということが
できなくて、いまもなかなか出来ない私が、
ようやくできた、思いを伝えるということ。
それが、
この本でした。』

今年の4月に亡くなられた大宮エリーさん。

追悼の意こめて、こちらの本を拝読しました。


ただ「ありがとう」と伝えるだけでは、「ごめんなさい」と伝えるだけでは、思いは伝わらない。

そのことをよくお分かりだからこそ、さまざまな角度から、さまざまな登場人物たちを描くことで、なんとか伝えようとしてくださっている試行錯誤が、とても感じられました。


詩があって、その詩に関連した小説が続いて・・・という新鮮な構成。

シワシワになったこころを、あたたかい空気で抱きしめてもらえるような、そんな作品でした。

じわり、じわり。

思いがあるから、私たちは、生きている。


紋佳🐻

読書