『本でした』
むかしむかし、村はずれにたっている空き家に、いつからか、2人の男が住みつきました。
2人の男はある日、小さな看板を出しました。
バラバラになってしまった本や、やぶれてしまった本でも、特殊な技術で元に戻すというのです。
それどころか、ほんの1ページでも、1行だけでも、タイトルだけでも、ちょっとした手がかりさえあれば元の本の形に復元できる、というのです。
村人たちが「本の復元依頼シート」をポストに投函すると本はどんどん復元されて―
お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹と、大人気の絵本作家ヨシタケシンスケからの、あらゆる感情を詰め込んだ「創作」のバトン。

一見すると、ブラックユーモアや不条理な展開は 又吉直直樹さんの方が描きそうに思えるのですが、実際には ヨシタケシンスケさんの作品にこそ、よりブラックなユーモアや、思わずドキッとするような不条理なラストが感じられ新鮮でした。
(又吉さんもインタビューで、「ヨシタケさんが、普段なら躊躇してしまうような作風にも、共著だからこそ挑戦しやすいとおっしゃっていた」と語られていて、その言葉に深く頷きました。)
『その本は』も大変面白かったのですが、個人的には今回の大ラスの収め方がとても好きです。
静かな余韻の中に確かな衝撃があり、鳥肌が立つような感動がありました。
前作とは異なり、今回はお互いにお題を出し合い、それぞれが創作するスタイル。
そのやり取りからは、おふたりの確かな信頼関係と豊かな遊び心が随所に感じられます。
このおふたりのコラボレーションが、これからも末永く続いていくことを、心から願って。
読み進める手が止まらないくせに、読み終えてしまうのが勿体ない・・・!そんな作品。
紋佳🐻








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