『田舎の紳士服店のモデルの妻』


「もしも、子供がいなかったら、夫がいなかったら。私はもっと快活に笑えていただろうか。もっと自由だったのだろうか。」(本文より)

東京から夫の故郷に移り住むことになった梨々子。田舎行きに戸惑い、夫とすれ違い、恋に胸を騒がせ、変わってゆく子供たちの成長に驚き――30歳から40歳、「何者でもない」等身大の女性の10年間を、2年刻みの定点観測のように丁寧に描き出す。注目の著者がすべての女性に贈る、愛おしい「普通の私」の物語。

―――

東京に住んでいた家族が、夫の鬱をきっかけに田舎に移住。

どこかにありそうな家族の日常が、決して華やかではないのですが、ぽつりぽつりと綴られていて、じんわり共感する物語でした。


「子どもを授かった瞬間に、女でい続けることを諦めた」ママ友が、「母ではない自分」を手に入れたくて趣味に没頭する姿などは、いまの自分に刺さります。


#田舎の紳士服店のモデルの妻

#宮下奈都



紋佳🐻

読書