『夜明けの街で』


おひさしぶりの東野圭吾さん。

『不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。妻と子供を愛しているなら、それで十分じゃないか。ちょっとした出来心でつまみ食いをして、それが元で、せっかく築き上げた家庭を壊してしまうなんて愚の骨頂だ。』

くぅ〜〜いいですね、いいですね!

不幸を予感させる、たまらない冒頭です。

こんな冒頭を読んだら、しばらく本を閉じて妄想を楽しみたい、それくらい素敵な出だしですよね(大興奮)


よくある不倫の話なのですが、そこにミステリの要素を織り交ぜているところが、さすがでした。

幸せな家庭がありながら不倫する男性の愚かさ、非生産的な行動には、読んでいて虫酸が走りますが、一時の恋愛感情に振り回された挙句、「こんなはずじゃなかった」と落胆する未来が手に取るように想像できて、大変滑稽。


男同士の友情の、卑しい部分が描かれた『おまけ』もまた、本編をさらに面白く引き立てる、素敵なスパイスでした。


読者の引き込み方、続きが気になってページをめくる手が止まらない展開。

さすが東野さん!な一冊です。


#夜明けの街で

#東野圭吾



紋佳🐻

読書