『ぼくはこうして、大人になる』


海辺の田舎町に暮らすぼくは、中学三年生。

優秀でまともな少年に見せるだて眼鏡をかけ、人に云えない不安を抱えつつ、級友たちの過分な信望を得て平穏な学校生活を送っている。

ところがある日、クラスに七月という少年が転入してきた。

なかなかみんなに馴染もうとしない彼と関わるうち、修学旅行中に騒動がおきて…。

繊細にして傲慢、冷静にして感情的な、少年たちの夏を描く。


『思い出に価値を認められる人間は、たぶん幸福な生涯を過ごすだろう。

自分の存在を疑わないということだから。』


びりびりくる、長野まゆみさんの言葉たち。

読み終えるころには、胸がひりひり、青春のまぶしさに焼かれて、熱を帯びている感じ。


ただ、高校生のころから読んできた長野さんの作品だけど、あれから十数年が経ったいまの方が、むしろ心が敏感に反応する気がします。

きっと何が起きても、冷静に整理整頓できる大人になってしまったからですね。

かなしくはないけど、少しさびしい。


#ぼくはこうして大人になる

#長野まゆみ



紋佳🐻

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