『風のマジム』


ほんとうにあった夢物語
契約社員から女社長に――
実話を基に描いたサクセス・ストーリー。

琉球アイコム沖縄支店総務部勤務、28歳。
純沖縄産のラム酒を造るという夢は叶うか!?

風の酒を造りたい。
まじむの事業計画は南大東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。

持ち前の体当たり精神で島に渡り、工場には飛行場の跡地を借り受け、伝説の醸造家を口説き落として――。


あの日おばあが、風の育てた酒、と教えてくれたのはラムだった。
ラムは、さとうきびからできる酒。だから、風が育てる酒なのだ、と。
それ以来、ラムはまじむのいちばん好きな酒になった。

マハさんの小説って、「一生懸命で応援したくなる女性」が描かれていることが多いのですが、こちらもそんな作品。

ビール、日本酒、ワインと、醸造酒が好きな私なので、蒸留酒であるラムはほとんど無知でしたが、この作品のおかげで「おいしいラムを呑んでみたい!」と心から思いました。

標準語にルビで沖縄語が書かれていて、最初は読むのに時間がかかるのですが、読み終えるころには、沖縄のあたたかい言葉が癖になっていました。沖縄いいなあ。

読了後、爽やかな風がこころを駆け抜ける。
2020年最後の一冊がこれでよかった。


紋佳🐻

読書