『オトーさんという男』


なんでもお母さんを経由して言う。
二人きりになると話すことがない。
私物が少ない。
チャンネル権を握っている。

ちょっと面倒だけど、完全には嫌いになれない。
考えてみれば、自分のからだの半分は、オトーさんでできているのだから。

わかりやすくて、わかりにくいオトーさんという男をエッセイと漫画で綴る、じんわり心が温まる珠玉の一冊。


「またな」
右手をひょいっと挙げて、いたずらっぽく笑って去って行く。父が昔からよくするしぐさである。
「またな」は、大人に対する言葉だった。父に「またな」って言われるくらい、自分が大人になってしまっていることに、いつもちょっと淋しい気持ちになる。

「オトーさん」という存在が、娘の視点から綴られているエッセイ集。

どうしようもなく笑えたり、じーんときたり。
「オトーさん」という存在の奥深さよ。


紋佳🐻

読書