『好きになってしまいました。』


ページをめくれば浮世の憂さが晴れてゆく、3年半ぶりのノンストップ・エッセイ!

観葉植物(一部名前がわからない)を愛で、ときに虫たちや鳥と戦い、大好きな靴を手入れし、本と漫画に耽溺し、旅の宿ではテンション高めのご亭主に完敗宣言。

どこから読んでもミウラシヲンが溢れだす、読み始めたら止まらない抱腹絶倒のエッセイ集!

愛と笑いと妄想に満ちた、人気作家の日常、ときどき非日常。


三浦しをんさんほど、小説とエッセイの佇まいの異なる作家さんを他に知りません。

一糸一糸、丁寧に織り込まれた織物のような物語を紡がれる一方で、ノリツッコミと勢いとテンションで目の前を駆け抜けるように綴られるエッセイ。

べ、別人のようだ・・・(好きです)。


『「こんなにみんながスマホに夢中じゃ、そりゃあ本や雑誌は売れませんよ」と嘆くかたもいるが、私はスマホが悪だとは思わない。
私が電車内でスマホを見ないのは、ただ単に、揺れる環境で動きのあるゲーム画面を目にすると酔うから、そしてメッセージを送りたい相手が特にいないからというだけだ。
いや、べつにさびしくはない。ほんとに、さびしくなどない!(必死感)』

やや過激なノリツッコミや、瞬く間に回収される自問自答。

雰囲気はジェーン・スーさんにも近いけれど、スーさんよりも断然ハイテンションな気がする。


読めば元気が湧いてくる、ビタミン剤のようなエッセイ本でした。


紋佳🐻

読書