『希望の糸』
「死んだ人のことなんか知らない。
あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」
ある殺人事件で絡み合う、容疑者そして若き刑事の苦悩。
どうしたら、本当の家族になれるのだろうか。
閑静な住宅街で小さな喫茶店を営む女性が殺された。
捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。
災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。
容疑者たちの複雑な運命に、若き刑事が挑む。
ばらばらの登場人物たち、物語がつながっていく作品ってよくありますが、東野さんほど滑らかに、丁寧に物語と物語を連結してくださる作家さんを他に知りません。
とにかく読みやすい。
ベストセラー作家の実力ですね。
(もちろん個人的には、難解な本の中で、もがきながら読み進めて、ある瞬間、突然視界がひらける体験も大好きなんですけれど、、!)
『本当の家族とは』という物語の軸はもちろん考えさせられるのですが、特に私は、『刑事がなすべき仕事とは本当に全てを暴くことなのか』、『暴かれるべき真実とは何か』このあたりが刺さりました。
『真の意味での正義とはなにか』
こういう話にめっぽう弱い私です。
紋佳🐻
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