『噂』


「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。

香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。
口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。

販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。

衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。


数ページ読んだだけで、「これは面白い本だ」と分かる小説があるのですが、まさにこちらがそうでした。

序盤から、夢中になりました。


平成18年に出版されているだけあって、「iモード」という言葉が何度も登場するところには、時代を感じずにはいられなかったけれど。

それでも、「噂」によって人がコントロールされていく様は、時代が変わっても変わらない人間の本質をついていて、色褪せない傑作ミステリであることは間違いありませんでした。


17年も昔の小説が、いまだに図書館で予約を待つって凄いこと。


紋佳🐻

読書