『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一郎の実像』


新幹線無差別殺傷事件。

理解不能な動機、思考を浮き彫りにする驚愕のルポ!


国家に親代わりを求めた男。

法廷で無期懲役に万歳三唱をし、殺人犯なのに刑務所で生存権を主張し続ける犯人・小島一朗。

誰も踏み込まなかったその内面に、異端の写真家が迫る。

全真相解明、驚愕の事件ルポ!


犯人はいったい何者なのか。


おもしろかった。

分厚かったものの、あっという間に読了。


「附属池田小学校児童殺傷事件」、「荒川沖駅8人殺傷事件」、「池袋通り魔事件」、「秋葉原通り魔事件」・・・

その昔、日本を震撼させた無差別殺人事件を振り返りつつ、今回のメインとなる「新幹線無差別殺傷事件」へと繋がっていく導入部分。

当時はそれらのニュースに触れても、まだよく分からない程度の子どもだったけれど。

事件の全貌に触れ、様々なことを考えられるくらいには大人になったなあと自分の歳を感じるのでした。


犯罪者も様々な背景を背負った人物がいる中で、それでもやはり、この「小島一郎」は特殊な思考の持ち主であることがよくわかりました。

本人の中では筋の通った話でも、聞いているこちらが共感し難い供述ばかり。

挫折しかけながらも、なんとか寄り添おうとするインベさんの文章のお陰で、読者も、最後まで追いかけることができます。

倫理的・道徳的問題ある発言、手記にもかかわらず、とても上手くまとめられていて読みやすい。

こんなにも筆者の努力がにじみ出るような犯罪ノンフィクションが、あるんだなあと。


読み終えた後、表紙を改めて眺めると、ゾワッとします。



歌ったり、かぶったり・・・

かぶったり、歌ったりします🌟


ご予約、お待ちしております🧸🦀

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紋佳🐻

読書