『みらいめがね2』


気鋭の評論家荻上チキさんと大人気絵本作家ヨシタケシンスケさんによる『暮しの手帖』好評連載の単行本化第2弾!

好きなものを集めて心を守る、相手を困惑させる自虐は禁止、理不尽な校則の実態調査、香港の現状報告など、生きやすい社会にするための荻上さんの思いに、

ヨシタケさんがヒーロー、着ぐるみ、狸、ロボットまで登場させ、クスッと笑えるイラストで応えています。

視野を広げ、生きにくさをはじき飛ばす14話とヨシタケさんの傑作あとがきマンガを収録。


『また最近は、人とビデオ通話をしながら、料理をすることが楽しみになった。
僕が料理に感じるハードルの一つが、作業に集中しなければならないということだ。
ながら作業をしていないとストレスを感じてしまう僕は、「料理するだけの時間」が、時に「焦りの時間」になってしまう。
そこで、人と通話しながらの料理に変えることで、ストレスを軽減できるようになった。』

時間的貧乏性で、常に何かを同時にこなしていないとイライラしてしまうというの、私も全く同じなので、共感の嵐でした。

家事をしながら動画を観たいし、本を読みながらポイ活したい・・・

わ、仲間がいた!と、うれしくなりました。


『手を抜くことは、堕落では無い。権利であり、知恵であり、工夫であり、文明である。
仕事でも育児でもそうだが、手間を省くというニーズに応えることで、人類は生活の水準を上げてきたのだから。
僕たちの手抜き志向は、文明の発展を後押しする側面すらある。自分に負荷をかけない道を選ぶことは、高度な営みでもあるのだ。』

チキさんのこういう視点のずらし方が、とても好きです。

こんなにも多角的にものごとを捉えられる人、いるんだなあと。

だからこそ、こころに負荷がかかりやすくて、鬱の治療を受けられたりもしているのだろうけれど。

その繊細さ、公平さを、放送業界で活かしてくださって、本当にありがとうございます。


ヨシタケさんが最高なのは言わずもがな。

『傷つける言葉を減らせないとしても、
救う言葉を増やすことならできるんじゃない?』

みんなの悲しいことや、苦しいことを減らすことはできないかもしれないけど。

少しでも、誰かにとっての、楽しくてうれしい時間が提供できる人間でありたい、と思う私です。


紋佳🐻

読書