『ミュージック・ブレス・ユー!!』


カンバラクニエさんの、切り絵を思わせるデザインのカバーに、思わず手が伸びた一冊。

高校三年生という、大人と子どもの狭間の時期。

永遠に続くかと思えた高校三年生特有の、すこしだけ窮屈で自由な時間も、アザミとチフユのふたりにとっては、大学が遠くなるまでの期限付き。

そのあたりの感傷的であたたかい友情の描かれ方がきれいでした。


10代の頃の私には悩みがあって、

『なかなか仲のいい友達にも悩みを話せない、というか話そうというきもちにならない』という悩み。


悩みを打ち明けられる=本当に気を許した友だち

だっていう定義がよく使われる10代の頃。

それでも、悩みを打ち明けるような相手はひとりもいなくて、寝れば忘れるし、と思っていて。

でも、ちゃんと大切な友だちはいた。


だからね、

アザミとチフユの、

『なんやろ、友達とは面白い話以外したくないんよな』

『友達と話している時は、話していること自体が面白くて、だいたいの憂さについては忘れてしまうのだった。』

っていう距離感、

ああそっか、私の10代の友人関係って、そういう形だったんだ、いまさらになって認識することができました。


友達、進路、家族・・・

いろんな壁にぶつかって、悩んで。

高校時代をなつかしく思い出せる物語です(*^^*)



紋佳🐻

読書