『アラミスと呼ばれた女』


安政三年、肥前長崎。

出島で働く父から英語や仏語を習う十歳のお柳。

「うち、お父ちゃんのように通詞になりたかとよ」。

女人禁制の職に憧れる幼いお柳の運命は、釜次郎、のちの榎本武揚との出会いによって大きく変わっていく。

攘夷運動、大政奉還から戊辰戦争へ。

激動の時代に消えた一人の「男装」の通詞。


だいすきな杏さんが、お勧めされていたので手にしました。

さすが歴女な杏さん、な歴史もの。

私の趣味の世界では出会っていなかった1冊です。

そういう出会い、うれしい。


通詞(通訳)には男しかなれないというタブーを、男装という形で乗り切り、アラミスと呼ばれた女性の生涯を描いた物語・・・

であると同時に、攘夷運動、大政奉還、戊辰戦争といった激動の時代の様子が、地続きで描かれ、歴史の勉強にもなりました。


幕末に詳しい人ならきっと知っているであろう、榎本武揚(釜次郎)について、初めて知りました。

歴史上の人物の、こうした血の通った人生に触れることで、また一段と歴史への興味が沸くのでした。

(小中学生の頃にその世界に足を踏み入れていたかったなあ)


紋佳🐻

読書