『クジラアタマの王様』
製菓会社に寄せられた一本のクレーム電話。
広報部員・岸はその事後対応をすればよい・・・はずだった。
訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速していく。
不可思議な感覚、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない鳥。
打ち勝つべき現実とは、いったい何か。
巧みな仕掛けと、エンターテインメントの王道を貫いたストーリーによって、伊坂幸太郎の小説が新たな魅力を放つ。
な
作中、台詞のないコミックが挟まるという新しい作風で、たのしみました。
イラストのタッチも素敵でした!
2019年7月に発刊された本書ですが、
「まるでコロナを予言しているかのようだ」と言われていたため、興味を持ち、手に取りました。
『近隣住民が感染者だ、というデマを信じ、その家に火を放とうとした者が現れたり、自分が感染したと思い込んだ人物が、死なばもろともの精神で繁華街に出向いて暴れたりした。
外出を恐れた者たちが保存食を買い占め、奪い合いによる騒動も起きていた。』
まさに、予言している、と言われてもおかしくない内容です。
夢の中での戦いの勝敗が、現実世界の運命を変える。
そんな、夢と現実が交錯する不思議な物語でした。
紋佳🐻
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